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だいくとおにろく
¥990
だいくとおにろく 再話|松居直 絵|赤羽末吉 福音館 大工と鬼の知恵くらべ。 流れのはやい川に橋をかける仕事を引き受けた大工ですが どうしたものかと思案に暮れているところに鬼があらわれます。 目玉と引き換えに橋をつくってやろうと話はまとまりますが、 大工はうまく交渉を引き延ばして逃れます。
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島ひきおに
¥1,540
島ひきおに 文|山下明生 絵|梶山俊夫 偕成社 初版刊行年 1973年2月 「おーい、こっちゃきて あそんでいけ!」 なみがうなるように、よんでおった。 寂しがり屋の鬼は村人と遊びたいだけなのに、どこへ行っても爪弾き。海をさまよい、いつしか島は波に削られ消えてしまった。 「おーい、こっちゃきて あそんでいけ!」 南へ南へと海の中をどこまでも歩き続ける鬼。一緒に遊びたいだけなのに。胸がきゅうーっと痛くなるお話。梶山俊夫さんの絵が素晴らしい。 作者の山下明生さんの故郷広島に敷島という無人島があり、もとは引島(ひきしま)と呼ばれていたのだとか。いい伝えでは、島を引っ張ってきた鬼がそこで力尽きたとか。山下さんは、鬼を死なせたくなくて、どこまでも海を歩かせたのだそう。 ただ、遊びたいだけの鬼の話もろくに聞かず、あらぬ罪をきせて排斥します。鬼のひく島も波に削られ、姿が見えなくなるまで海を彷徨うんです。大きく描かれる鬼が目を引くんですが、ちっぽけな人間の残酷さには、なかなか気づけない。
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ね, うし, とら……十二支のはなし
¥1,650
ね, うし, とら……十二支のはなし 文|ドロシー・バン・ウォアコム 絵|エロール・カイン 訳|へんみ まさなお ほるぷ出版 よく知られている十二支の順番を決めるお話とは少し違いますが、やはり、ねずみは知恵者。 他の動物たちのおおらかさもいいですね。 エロール・カインのエキゾチックな画風がなんとも素敵。 1978年初版発行のロングセラーです。
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あめが ふるとき ちょうちょうは どこへ
¥1,100
あめが ふるとき ちょうちょうは どこへ 作:M・ゲアリック 絵:L・ワイスガード 訳:岡部うた子 金の星社 初版刊行年 1974年8月初版発行 あめがふるとき ちょうちょうはどこへいくの? もぐらなら土に潜れるし、ミツバチは巣に帰れる。 あひるやかめは雨がふっても平気。 でも、ちょうちょうは どうしているの? 幼い子どもの素朴な疑問が自然への瑞々しい好奇心となり か弱い者への温かいまなざしへと深まっていきます。 抑えた色調の絵も美しく、詩集のような絵本です。
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あめのひ
¥1,760
あめのひ 作:サム・アッシャー 訳:吉上恭太 徳間書店 初版刊行年 2017年6月 あさ、目がさめると、雨が降っていた。 おじいちゃんは、家にいなさいっていうけれど…… 雨の中で遊ぶの、楽しいんだよね。 雨粒を口で受けたり、みずたまりに飛び込んだり。 おじいちゃんは、ずっと手紙を書いている。 あ、やんだ! 雨の日は、世界が一変。 雨が止むのを待ってる時間もワクワクがふくらむ楽しい絵本です。
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雨、あめ
¥1,540
雨、あめ 作|ピーター・スピアー 評論社 初版刊行年 1984年6月 文字のない絵本です。 庭で遊んでいると、あ、雨が降ってきました。 急いで、家の中へ。レインコートに長靴に傘も用意して、 突然の雨も何のその。再び外へ。 雨の時にしか見られない景色や遊びがありますね。 思いっきり雨を満喫したら、風邪ひかないようにしなくては。 一晩中、降り続いた雨は、めぐみの雨ですね。
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かちかちやま
¥1,760
かちかちやま 再話|おざわとしお 画|赤羽末吉 福音館書店 日本の五大昔話のひとつに数えられる『かちかちやま』を小澤俊夫さんの再話で、赤羽末吉さんの躍動感のある絵はどこか鳥獣戯画のような懐かしくてコミカルな雰囲気がありますね。 物語は性格の悪い狸が、賢い兎に成敗される勧善懲悪に類する形ですが、本によっては残酷すぎるという理由でソフトな表現に書きかえられているものもあります。 こちらの本は、たぬきの悪行はそのままにおばあさんはばばあ汁にされて食べられてしまい、悪いたぬきは兎によって、完膚なきまでに叩きのめされます。 ばばあ汁とはあんまり過ぎますね。しかし、あんまり過ぎるから現実ではない物語として、読めるのではないでしょうか。 また、物語として読むことで現代に置き換えることが出来ます。 ことの発端は、ちょっかいを出してきた狸にお爺さんが鍬を投げたことです。 仕返しに狸は罪もないお婆さんを非道を働きます。 そこへ兎がやってきて、第三者なのに狸を執拗に痛めつけたうえで川に沈めます。 似たようなことは、SNS上でも起こっているのではないでしょうか。
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たつのこたろう
¥1,760
たつのこたろう 文|松谷みよこ 絵|朝倉摂 講談社 松谷みよ子さんの長編童話『龍の子太郎』は国際アンデルセン賞も受賞した代表作。 鬼にさらわれた友だちにの少女あやを助けに、そのまま龍になった母親を探しに出かけます。 さらには貧しい村を豊かにするため一大事業を成し遂げるたつのこたろう。 最初は怠け者で、つまはじきにされていたたろうが、友だちと目的を得て大きく成長します。 朝倉摂さんの絵がとても美しい。動物に囲まれている姿は心やさしいけれど浮かない表情で、とてもじゃないですが大きなことを成し遂げるようには見えません。 ですが、揺るぎないやさしさがあり、次第に味方を得ていく困難の解決の仕方には大人もおおいに学ぶところがありそうです。
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世界はこんなに美しい
¥2,200
世界はこんなに美しい 文|エイミー・ノヴェスキー 絵|ジュリー・モースタッド 訳|横山和江 山烋のえほん 初版刊行年 2022年10月 半世紀前の1973年。ひとりの女性がバイクで世界一周するという冒険に出ました。 アンヌ=フランス・ドートヴィル。28歳の出発です。 少しの荷物を持って、125ccのカワサキのバイクに乗り、 パリを離れると、バイクの故障や嵐など数々の困難を乗り越え、4ヶ月をかけて世界を横断しました。 まだ女性の社会進出が現代ほどではなかった時代に、どれほど多くの女性たちに勇気を与えたことでしょうか。それにバイク乗りたちにも。 半世紀前、自由を求めて旅立つ女性がいて、世界は明るく開かれていた。 アンヌが駆け抜けたいくつかの場所は、すっかり変わってしまい、 もう二度と誰の目にも触れることが出来ない場所もあります。 それでも、世界は美しくあってほしい。 人間はよいものであってほしいと願い続けます。
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なんにもおきない まほうのいちにち
¥2,200
なんにもおきない まほうのいちにち 作|ベアトリーチェ・アレマーニャ 訳|関口英子 出版|ポリフォニープレス 初版刊行年 2023年4月 休みのたびにママと行く家がある。 森の奥にあって、いつも雨が降っている。 ママは毎日、だまってパソコンに向かって書き物をしている。 なのに、ぼくにはゲームばかりするなと言う。 ゲームの他にしたいことなんか何もないというのに、 雨の降る森で、一体、なにをすればいいというのだろう? 『こどもってね……』(きじとら出版)のベアトリーチェ・アレマーニャから デジタル時代の子どもたちへ贈るタイクツのすすめ。
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あいたかったよ
¥1,430
あいたかったよ 作|エルズビエタ 訳|こやま峰子 朔北社 初版刊行年 2000年4月 ちっちゃなウサギの恋人たち。大人になったら結婚しようって約束してる。 だけど、戦争が始まって、恋人たちはイバラの垣根で引き裂かれる。 長く続いた激しい戦争の後、傷ついて帰ってきたお父さんが言う。 戦争はなくならないと思うよ。大人しくなることはあるんだけれど。 だから、みんなで、戦争が暴れ始めないように気をつけていなければならないんだよ。
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ぼくはひとりで
¥2,200
ぼくはひとりで 作|フン・グエン・クアン/フイン・キム・リエン 原初編集|ダフネ・リー 訳者|はっとりこまこ 冨山房 インターナショナル 初版刊行年 2021年4月 ぼくはひとりで どこに行くのでしょうか? ベトナムの雨季は道が見えなくなるほど雨水で覆われます。 生活は一変して、子どもたちもボートを漕いで学校に行きます。 途中で波も高くなるし、雨も降るし、ワニも潜む危険な道なき道です。 自然の迫力、荘厳さを感じられる美しいイラストレーションは 子どもたちを包み込み、地球の一部と思わせてくれますね。 自然も壮大だし、子どもたちも逞しい。力強い本です。
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きいろいかさ
¥1,980
きいろいかさ 絵|リュウ・チェスウ 作曲|シン・ドンイル BL出版 初版刊行年 2010年6月 雨の日に家を出るきいろいかさ。 青いかさ、赤いかさ。 かさは、ふたつ、みっつと増えていきながら、どこかに向かいます。 カラフルな傘の色とリズムが生まれる。 空から見ると、雨の日って楽しいですね。 文字のない絵本。 でも、ピアノ曲集CD『きいろいかさ』が付いてます。
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おにたのぼうし
¥1,100
SOLD OUT
おにたのぼうし 文|あまんきみこ 絵|いわさきちひろ ポプラ社 節分の夜、どの家でも豆まきで鬼祓いされ、おにたは行き場所を失っていました。 首尾よく入り込んだ家は、病気のお母さんの女の子ふたりきり。 食べるものもなく、雪を溶かした水でお母さんの額を冷やします。 おにたは帽子で角を隠し、女の子は空腹をお母さんに隠しています。 女の子の無邪気な言葉に傷つくおにたは、精一杯の思いやりを残して消えます。 「おにだって、いろいろ あるのに。おにだって……」 おにたのその言葉を、今一度深く考える必要があると思います。
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トラのじゅうたんになりたかったトラ
¥1,650
トラのじゅうたんになりたかったトラ 作|ジェラルド・ローズ 訳|ふしみみさお 出版|岩波書店 昔、インドのジャングルにやせこけたトラがいました。 宮殿の広間で王様の家族がごちそうを食べているのが 羨ましくて、しかたがありません。 そこで、トラはいいことを思いつきました。 ジェラルド・ローズのとぼけた絵もなんとも愉快なお話です。
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どしゃぶり
¥1,540
どしゃぶり 文:おーなり由子 絵:はたこうしろう 講談社 照りつける太陽の熱、地面の匂い、雨の音、体を打ち付ける雨粒 全身で受け止めるどしゃぶりの雨。 こんなに生き生きと気持ち良さそうに描かれると、真似したくなっちゃいますね。 はたこうしろうさんの絵本を読むと、外に飛び出して行きたくなります。
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ケープドリ あらしのまき
¥1,210
ケープドリ あらしのまき 作|ワウター・ヴァン・レーク 訳|野坂悦子 朔北社 外はひどい雨。こんな日は、薪ストーブをガンガン焚いて、家でゆっくりしよう、と思ったのに薪がありません。ケープドリは犬のツングステンに薪を拾ってきて、と頼みました。 ところが、ツングステンはなかなか帰ってきません。心配になって探しにいきます。 ツングステ〜ン!! ワウター・ヴァン・レークはオランダで子ども向けCGアニメーションを製作。 代表作のケープドリシリーズを2005年より絵本を創り始める。 『あらしのまき』水墨画の影響をうけ、落款をイメージを取り入れるなど、独特の世界を創り出す。