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月の番人
¥1,650
月の番人 作|トム・ゴールド 訳|古屋美登里 亜紀書房 初版年月日 2021年10月4日 月のコロニーを守る警察官が主人公。 とはいえ月は過疎化が進み、事件らしい事件も起こらず、転属希望も認められず、ドーナツとコーヒーを食べながらのんびりした毎日。 文明は進んでるけど、それだけでは人は定住しない。 やっぱりドーナツは自動販売機で買うより、誰かと一緒に食べた方が美味しい。 帯にオール2色刷りと書いてますが、濃紺の世界。 寂しいような気もするし、静寂に満ちているようにも見えます。
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ZENOBIA
¥2,530
SOLD OUT
ZENOVIA ゼノビア 文:モーテン・デュアー 絵:ラース・ホーネマン 訳:荒木美弥子 サウザンブックス 初版刊行年 2019年10月21日 ※新刊を補充するため初版本を在庫しているというわけではありません。 2016年デンマーク発の鮮烈のグラフィックノベル 世界15カ国で次々に翻訳されています。 本国デンマークではベストコミック ブック オブ ザ イヤー、ベスト コミックブック フォア チルドレン アンド ヤングアダルト、イラストレータープライズ、など数々の賞を受賞。 ゼノビアとは、帝国ローマにも屈しない強い意志を持つ古代シリアの女王。「ゼノビア」のように強くなりなさいと、母から娘に受け継がれるシリアの誇り。 シリア内戦の戦火を逃れるため、アミーナはボートで国を脱出するが、荒波に翻弄される船は転覆、アミーナは投げ出されてしまう。 暗く深い海に沈みながら、思い出すのは、お母さんとかくれんぼで遊んだこと、一緒に料理を作ったこと。女王ゼノビア。 グラフィックが静かに圧倒的に訴える不条理。今、起きている現実であることに打ちのめされる。
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キミのセナカ
¥1,760
キミのセナカ 作|野原くろ サウザンブックス社 ご近所付き合いも健在な地方の小さな町では、みんな優しく温かい。 人に関心があるから、なんでもない事でも尾ひれがついて、噂はさざなみのように広がる。 さざなみを立てないようにするには周りに合わせるしかない。 男なら当然、女の子に興味があるフリをするなどして。 高校で再開したタケルと公太郎。 友情なのか恋心なのか名前はつけ難いけども、心からお互いを大切に思える、たった一人でもそんな人がいたら世界は全く違った景色になるのでしょう。 この本が誰かにとってキミに会えてよかったと思える一冊になりますように。
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レベティコ ー雑草の歌
¥3,300
レベティコ ー雑草の歌 作|ダヴィッド・プリュドム 訳|原正人 サウザンブックス社 レベティコとは、ギリシャのブルースともいわれる大衆音楽。 作者のダヴィッド・プリュドム(David Prudhomme)は、1969年フランス生まれ。 レベティコの虜になったというダヴィッド・プリュドムの絵が素晴らしい。 身体を揺らしながら踊る姿からはリズムが聴こえそうだし、 音楽と音楽の生まれた背景や精神が生み出す世界を演出しているのは、陰影の表現だろう。 全編にわたる光と影の繊細な表現に目を見張る。 室内の仄暗さ、屋外の陽光を表現する陰と影。木蔭が作る模様まだら模様。 次第に暮れて夕陽に染まる赤。夜の闇。 夜の酒場の暗さが昼間のハシシ窟の暗さとまた違うのだ。 乱痴気騒ぎを経て小舟を漕ぎ出し海の上で迎える夜明け。 太陽は何事もなかったかのように世界を明るく照らし濃い影を落とす。 だけど、何事もなかったわけではない。 とどまるもの、抜け出すもの、流されるもの。 それぞれの選択がある。 魂は自由だ。
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ジェーンとキツネとわたし
¥2,420
ジェーンとキツネとわたし 文:ファニー・ブリット 絵:イザベル・アルスノー 訳:河野万里子 出版:西村書店 エレーヌは今日もひとりぼっち。 学校のあちこちに悪口を落書きされて、居場所がないと感じてる。 でも、大好きな『ジェーン・エア』の本を読んでる時は、別の世界に行けるんだ。 それから、行きたくない学校の合宿でジェラルディーヌに出会ったの。 軽やかなタッチで驚くほどリアルに多感な少女の心情を描きだす、イザベル・アルスノーの傑作。読み応えのある96ページのグラフィック・ノベル。 カナダ総督文学賞受賞作。
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風が吹くとき
¥1,760
風が吹くとき レイモンド・ブリッグズ|作 さくまゆみこ|訳 あすなろ書房 核戦争の恐ろしさを描いて世界的なベストセラーとなった傑作絵本。 登場人物は引退して田舎に暮らす善良な老夫婦のみ。 核戦争が近づいてる情報を得て、政府の手引きと州の広報を参考に屋内シェルターを作ります。 やがて核爆弾が落ち、 外部との連絡手段が途絶え、おそらく被爆しているであろう事実に気づかず、徐々に弱りながら夫婦は政府の救援を待ちます。 核の威力に目を奪われますが、事の深刻さを正しく捉える事の難しさ、正常バイヤスと政府への無批判な態度も恐ろしい。