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かちかちやま
¥1,760
かちかちやま 再話|おざわとしお 画|赤羽末吉 福音館書店 日本の五大昔話のひとつに数えられる『かちかちやま』を小澤俊夫さんの再話で、赤羽末吉さんの躍動感のある絵はどこか鳥獣戯画のような懐かしくてコミカルな雰囲気がありますね。 物語は性格の悪い狸が、賢い兎に成敗される勧善懲悪に類する形ですが、本によっては残酷すぎるという理由でソフトな表現に書きかえられているものもあります。 こちらの本は、たぬきの悪行はそのままにおばあさんはばばあ汁にされて食べられてしまい、悪いたぬきは兎によって、完膚なきまでに叩きのめされます。 ばばあ汁とはあんまり過ぎますね。しかし、あんまり過ぎるから現実ではない物語として、読めるのではないでしょうか。 また、物語として読むことで現代に置き換えることが出来ます。 ことの発端は、ちょっかいを出してきた狸にお爺さんが鍬を投げたことです。 仕返しに狸は罪もないお婆さんを非道を働きます。 そこへ兎がやってきて、第三者なのに狸を執拗に痛めつけたうえで川に沈めます。 似たようなことは、SNS上でも起こっているのではないでしょうか。
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たつのこたろう
¥1,760
たつのこたろう 文|松谷みよこ 絵|朝倉摂 講談社 松谷みよ子さんの長編童話『龍の子太郎』は国際アンデルセン賞も受賞した代表作。 鬼にさらわれた友だちにの少女あやを助けに、そのまま龍になった母親を探しに出かけます。 さらには貧しい村を豊かにするため一大事業を成し遂げるたつのこたろう。 最初は怠け者で、つまはじきにされていたたろうが、友だちと目的を得て大きく成長します。 朝倉摂さんの絵がとても美しい。動物に囲まれている姿は心やさしいけれど浮かない表情で、とてもじゃないですが大きなことを成し遂げるようには見えません。 ですが、揺るぎないやさしさがあり、次第に味方を得ていく困難の解決の仕方には大人もおおいに学ぶところがありそうです。
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世界はこんなに美しい
¥2,200
世界はこんなに美しい 文|エイミー・ノヴェスキー 絵|ジュリー・モースタッド 訳|横山和江 山烋のえほん 初版刊行年 2022年10月 半世紀前の1973年。ひとりの女性がバイクで世界一周するという冒険に出ました。 アンヌ=フランス・ドートヴィル。28歳の出発です。 少しの荷物を持って、125ccのカワサキのバイクに乗り、 パリを離れると、バイクの故障や嵐など数々の困難を乗り越え、4ヶ月をかけて世界を横断しました。 まだ女性の社会進出が現代ほどではなかった時代に、どれほど多くの女性たちに勇気を与えたことでしょうか。それにバイク乗りたちにも。 半世紀前、自由を求めて旅立つ女性がいて、世界は明るく開かれていた。 アンヌが駆け抜けたいくつかの場所は、すっかり変わってしまい、 もう二度と誰の目にも触れることが出来ない場所もあります。 それでも、世界は美しくあってほしい。 人間はよいものであってほしいと願い続けます。
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国籍と遺書、兄への手紙 ルーツを巡る旅の先に
¥2,090
国籍と遺書、兄への手紙 ルーツを巡る旅の先に 著|安田菜津紀 ヘウレーカ 初版刊行年 2023年5月 父の没後二十年の年月を経て資料をたどり、ゆかりの地をたずね歩き、手紙に託す。 取材が進むにつれ、次第に疑問がとけていき、語られなかった思いが立ち現れる。 貧困、難民、入管、ヘイトクライムなどの問題に取り組み、国内外で活動してきた著者が、取材対象への誠実な態度そのままに自身と向き合い綴る自らのルーツの物語。 ✳︎ 認定NPO法人Dialogue for People 発行のフリーペーパー 「VOICE OF LIFE」vol.5 と一緒にお送りします。 ◆内容 プロローグ 第1章 旅のはじまり 「曖昧な喪失」と、カンボジアでの出会い/戸籍で目にした思いがけない文字/「また来るために」の響き/兄への手紙/母国語を話せないなんて「かわいそう」 第2章 「家族とは何か」から「故郷とは何か」へ 瓦礫に覆われた街と「故郷」/シリアは死んでしまった、それでも――/お前は分断を認めるのか 第3章 ルーツをたどって もう一つの「遺書」、外国人登録原票/ウトロに刻まれた「生きた証」/学校襲撃事件の深い爪痕/「朝鮮人って悪いの?」/はぐらかされた「歴史否定」/追悼と喧騒/「後ろめたさ」の正体/「自分語り」の場/社会保障制度の「外側」で生きた人々/「なんで引き下がらなきゃならないんだ」 第4章 残された手がかりをつなぎ合わせて 神戸、土地の記憶と祖母の足跡/除籍謄本と「死者への手紙」/「たっちゃん」/同級生の輪の中で/兄への手紙、そのまた続き/祖父は拳に何をかけたのか/祖父母の見てきた「原風景」を探して 第5章 ヘイトは止まらない濁流のように 「それ以外の日本人とは別」/初めての法廷に立って/続いた「奇跡」/選挙の名を借りたヘイト/「司法から否定された人々」と判決 第6章 祖父母の「故郷」、韓国へ 名を剥ぎ取られた女性たち/命の源流/「女の顔をしていない」歴史/兄への手紙、またいつか エピローグ 感謝を込めて 参考文献 ◆著者紹介 安田菜津紀 1987年神奈川県生まれ。認定NPO法人Dialogue for People(ダイアローグフォーピープル/D4P)フォトジャーナリスト。同団体の副代表。16歳のとき、「国境なき子どもたち」友情のレポーターとしてカンボジアで貧困にさらされる子どもたちを取材。現在、東南アジア、中東、アフリカ、日本国内で難民や貧困、災害の取材を進める。東日本大震災以降は陸前高田市を中心に、被災地を記録し続けている。著書に『国籍と遺書、兄への手紙 ルーツを巡る旅の先に』(ヘウレーカ)、他。上智大学卒。現在、TBSテレビ『サンデーモーニング』にコメンテーターとして出演中。
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ケイン樹里安にふれる 共に踏み出す「半歩」
¥1,320
ケイン樹里安にふれる 共に踏み出す「半歩」 初版発行年 2023年5月 2022年5月、33歳という若さで急逝された社会学者、ケイン樹里安さん。 氏の「マジョリティとは、気にせずにいられる人」という言葉は、多くの人に共有され、社会の枠組みに収まりきれない人々の存在を可視化しました。 生前、氏と親交のあった人、影響を受けた人たちによる追悼文を編んだZINEです。 僭越ながら店主も拙文を寄せております。 もっともっとたくさんの人にケインさんと出会ってほしいと心から願います。 目次 じゅりあんさんのいないタイムラインーーサトマキ HAFUTALKの大切な仲間ケインくんーー下地セシリア久子 ケインさんにいただいた言葉ーー藤見よいこ 踊る先輩社会学者が残してくれたことーー有國明宏 光の視点を引用し続けることーー礒元メリッサ瑠奈 永遠に私を鼓舞するであろうそのことばを忘れないーー温又柔 マジョリティは特権の分だけ社会に責任があるーー太田明日香 本の可能性にふれるーー福田千晶 気づかずに済んできた立場からーーかつしかけいた 「団結」を呼びかけるーーカツラ・シャハラ・バーヌ Dear ケイン樹里安ーー金村詩恩 わたしの友人のケイン樹里安ーー上原健太郎 えほんでふれるしゃかいーー熊谷聡子 じゅりあんくんーー下地ローレンス吉孝 ケインの眼鏡ーー栢木清吾 ケイン樹里安さんの軌跡ーーウィジェナヤケ・ジョン・ライアン 執筆者紹介
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かるがものクッカ
¥1,650
かるがものクッカ 絵|箕輪義隆 文|かんちくたかこ アリス館 初版刊行年 2022年10月 お母さんのあとを追いかける、お引越しの様子がかわいらしいかるがも親子の子育ては意外におおらか。子だくさんのかるがもは、途中ではぐれることもあるけど助け合って子育てします。 ちょっとおっとりのクッカちゃんが、うまれてから大人になるまでのお話。 清々しい色合いで細密に描かれたイラストは鳥の研究者でもある箕輪義隆さん。 自然の中で逞しく生きる鳥たちへの眼差しの温かさを感じます。
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へそまがりの魔女
¥1,650
へそまがりの魔女 文|安東みきえ 絵|牧野千穂 アリス館 初版年月日 2023年4月 道に迷った娘が助けを求めた家には…… 素っ気ないけど優しくて、突き放しているような態度で実は心配でたまらない。 そんな、へそまがりの魔女とやさしさを知らない娘の物語。 お互いの存在に教えられ、癒され、いつしか助け合う心温まる物語。 黒の濃淡の中に灯るような赤が印象的なイラストは牧野千穂さん。
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魔法のほね
¥1,760
魔法のほね 作|安田登 イラスト|中川学 亜紀書房 6年生のたつきは、ある日、隣町の不思議な骨董店に迷い込み、甲骨文に出会う。 祖父の助けを借りながら解読に挑戦すると、それは生贄にされる羌族のことが記されていた。 たつきは友だちふたりと古代中国にタイムスリップ。羌族の人たちを助けようとしますが… 現代の常識や価値観が通じない世界で、学び思いやる子どもたちの冒険。 児童書ですが、安田登ファン、歴史好き、漢字好きの方も面白く読んでいただけます。
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たまごのはなし
¥1,210
たまごのはなし 作|しおたにまみこ ブロンズ新社 キッチンでずっと長いことじっとしていたたまごは、ある日動いてみようと思いました。 それからというもの・・・ 当たり前と思ってたことや親切のつもりがそうでなかったり、たまごの言うことは皮肉っぽくて全部、本当のこと。おかしくてドキッとして、クスッと笑ったりニヤニヤしてしまう。 子どもは大笑い。大人はうーむと唸ります。 しおたにまみこさんの静謐な筆致がお話に深みを与えています。新刊なのに古典の風格。
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プラットフォーム資本主義を解読する
¥2,640
プラットフォーム資本主義を解読する スマートフォンからみえてくる現代社会 編著者:水嶋一憲、ケイン樹里安、妹尾麻美、山本泰三 著者: 金埈永、宇田川敦史、久保友香、佐幸信介、山川俊和、中野理、水越伸、勝野正博 ナカニシヤ出版 初版年月日 2023年6月15日 スマホにつながりっぱなしの現代社会、アプリを通じて私たちの興味関心はデータ化され、 私たちが打ち込む文章でAIが学習し巨大テック企業の資源となる。 利便性と引き換えに無償労働し、資源を差し出しているのだ。 生活の隅々にまで入り込みインフラ化したメディア社会のリスクはないのか。 雇用、労働、差別など多角的に問題を照らし出し、デジタルプラットフォームの現在と未来を解読する。 <目次> 第I部 プラットフォームと現代の労働 Chapter 01 プラットフォーム資本とは何か 現代を席巻したメディア・インフラ,そのビジネスをめぐる問い 山本泰三 Chapter 02 プラットフォームに囲い込まれた大学生 乱立する就職情報サービスについて考える 妹尾麻美 Chapter 03 プラットフォームの労働者たち ギグ・ワーカーを社会保障制度にどう位置づけるか 金 埈永 第II部 プラットフォームを織りなすアクターたちとイメージ Chapter 04 検索プラットフォームの生態系 さまざまなアクターが構築するアルゴリズム 宇田川敦史 Chapter 05 ソーシャルメディアを彩る自己イメージ 日本の若年女性のセルフィ(自撮り写真)から考える 久保友香 Chapter 06 人種化するプラットフォームと向き合う 指先で抑圧に加担しないために ケイン樹里安 第III部 インフラ化するプラットフォームの現在と未来 Chapter 07 スマートシティで安楽の夢をみることができるか ゴーレム化する都市のセキュリティと戦争の恒常化を考える 佐幸信介 Chapter 08 プラットフォーム資本主義の環境的基盤 カーボンニュートラルとエネルギー問題 山川俊和 Chapter 09 プラットフォーム協同組合 市民主体のデジタル・プラットフォーム経済に向けて 中野 理 Chapter 10 プラットフォーム資本主義の光景と新封建主義の傾向 スクリーン・ユーザー・Amazon・Uberの分析を中心に 水嶋一憲 プラットフォームの理解を深めるための道具箱 Chapter 11 声に出して読む利用規約 プラットフォームを理解するためのワークブック 水越 伸・勝野正博 Chapter 12 プラットフォーム資本主義を解読するための視座 ニック・スルネックの著作を参照軸に 水嶋一憲
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おばあちゃんのにわ
¥1,760
おばあちゃんのにわ 文|ジョーダン・スコット 絵|シドニー・スミス 訳|原田勝 偕成社 初版刊行年 2023年7月 吃音の少年を描いた『ぼくは川のように話す』のコンビによる新作。翻訳も同じ原田勝氏。 ぼくは毎日、朝早くからおばあちゃん家に預けられる。 元はニワトリ小屋だった小さな家で慎ましく暮らす優しいおばあちゃん。 小さな家の中には、庭で採れた食べ物でいっぱい。 ぼくはいつも、何時間も、おばあちゃんとその庭で過ごしたのでした。 作者ジョーダン・スコットのおばあちゃんはポーランドに生まれ育ち、第二次世界大戦中に大変な苦労をされたそうです。 戦後、カナダに移住し、ニワトリ小屋を改装した家にくらしました。 シドニー・スミスの絵が素晴らしい。 小さな家の隅々まで、生きるという絶え間ない人の営みによって築き上げられた暮らしがある。 窓から差し込む光、庭に降り注ぐ光。祖母と孫の無言の時を包む柔らかな光。 食べ物が身体の栄養となるように、数多の無名の人々の人生が、思い出という栄養になっているのだろう。
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ぼくは川のように話す
¥1,760
ぼくは川のように話す 文|ジョーダン・スコット 絵|シドニー・スミス 訳|原田勝 偕成社 「ぼく」はうまく言えない音がある。教室ではビクビク。そんなぼくをみんなが笑う。 うまくいかない日は、お父さんが川へ連れて行ってくれた。 川の流れは一定ではなく、泡だって波うって、渦を巻き、砕ける。 うまくいかない時はこの言葉を思い出そう「ぼくは川のように話す」 シドニー・スミスの光輝く絵の中の「ぼく」は自然の一部に見える。 教室の中での「普通」を飛び越え、大自然と一体化している。 吃音も教室の外では、川と同じように自然だ。
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しあわせなふくろう
¥1,430
しあわせなふくろう 文:ホイテーマ 絵:チェレスチーノ・ピヤッチ 訳:おおつかゆうぞう 福音館書店 いつも幸せそうなふくろうの夫婦のように、仲良く暮らしていければいいのですが…何を幸せと思うかの価値観はそれぞれで… 1966年発行のロングセラー。白をたっぷり使ったエディトリアルも美しいです。
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アルメット
¥1,980
アルメット 作|トミー・ウンゲラー 訳|谷川俊太郎 好学社 アルメットはマッチ売りの少女。 親も帰る家もなく、捨てられた車で寝泊まりしています。 クリスマスが近づいてきて、街が華やかなムードに包まれても 誰も彼もがアルメットをどこかに失せろと追い立てます。 かわいそうなアルメットは息も絶え絶えに祈ります。 すると、はげしいカミナリとともに、願ったものというものあらゆるものが降ってきて。 どこをとっても絵が素晴らしい。 人々の表情、降り注ぐもの。完全に狂った世界なのだけれど、 ひもじい思いをする人がいる一方で、満たされているのに心が貧しい人。 物はないところには何もなく、あるところには溢れている。 世の中のどこかで実際に起きていることなのだと、我々、大人は知っている。 ものを求めている人々がどれだけ多いかも。 それでも人々は助け合い、マッチ売りのアルメットは生き延びて、 幸せな結末を迎えたのにホッとする。
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レファレンスと図書館
¥2,200
レファレンスと図書館 ある図書館司書の日記 著!大串夏身 皓星社 初版刊行年 2019年11月 年6万件の電話相談を受ける東京都立中央図書館の相談係、すなわちレファレンスとして勤めていた1988年9月から89年1月までの図書館司書の日記。 蔵書の確認はもちろんのこと、今ならネットで検索した方が早いと思われる質問も多いが、なんとまぁ、いろんな疑問があるものだと思う。そして真摯に文献にあたり、利用者の記憶の曖昧なところも想像をめぐらし補完して対応する。普段目にする姿は貸出のカウンター業務の印象が強いけれど、本を見つけられない人のために知識と閃きで相談を受付けるレファレンスという仕事。これは確かにAIには代われない。人だからこそのひらめきがものをいう。
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フィリックス エヴァー アフター
¥1,375
フィリックス エヴァー アフター 著|ケイセン・カレンダー 訳|武居ちひろ オークラ出版 フィリックス・ラヴはイラストレーター志望の17歳。黒人でクィアでトランス少年だ。 女でないことははっきりしてる。だから性別移行の治療も始めたけれど、完全に男かというと違和が拭えない。父親は理解しようと努めサポートしてくれるけど、ほんとうの名前では呼んでくれない。 ジェンダーアイデンティティに揺れ動き、大学受験のプレッシャーで大スランプ。その上、何者かに過去の秘密を晒され、SNSで誹謗中傷を受ける。 クラスメートや家族や周りの大人たちと出会い、ぶつかり、傷つけ合い、励まされ、本当の自分を獲得していく。自分は愛され、尊敬される存在なんだ、ここにいていいんだと実感を得る。 様々な人が登場します。自分のモデルを見出すことができるかもしれませんし、偏見に満ちた悪意にショックを受けるかもしれません。 店主は、誰もが愛され、幸せになって欲しいと心から願いました。
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クィアの民俗学
¥2,200
クィアの民俗学 LGBTの日常をみつめる 編著者:辻本侑生、島本恭則 著者: 辻 晶子、三上真央、大田由紀、廣田龍平 実生社 初版年月日 2023年10月23日 人文学の各分野でクィアの視点を踏まえた研究が急速に進みつつある現代、クィアなる存在は昔から認識されていたものの、民俗学の分野ではあまり注目されてこなかった。 本書は現代の民俗学が向き合う現実社会において、クィアを考え、描き出すことで、不可視化されていたクィアの視点から捉え直し、クィアの民俗学の第一歩を踏み出すものである。 <内容> はじめにーーー辻本侑生 第一部 民俗学史からクィアを考える 第1章 日本民俗学クィア研究史 第二部 第2章 南方熊楠と岩田準一の「男色談義」 第3章 大阪「LGBTの駆け込み寺」の実践 第4章 ゲイバレーボールチームの現代民俗学 第5章 長崎のマダムナンシー 第三部 クィア民俗学の展開 第6章 性的マイノリティは差別を「笑い話」に変えるのか? 第7章 異類/婚姻/境界/類縁 おわりにーーー民俗学の挑戦
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選書サービス 一万円
¥11,000
絵本のこたちの店主が選書します。 贈り物に、休暇のお供に、思いがけない本との出会いをお楽しみください。 また、家庭文庫やフリースペースの本棚づくり、学校図書館への寄贈、お店のイメージアップなど、ご予算に合わせて選書をいたします。 ご予算が30,000円の場合は、10,000×3個でご注文ください。 タイトルは発送前にメールでお知らせしますので、ご不要なものは差し替えます。 端数は選書料としていただいております。 選書の参考に、ご希望のイメージを例えば下記のようにお教えください。 ・主に読まれる方の年齢層(赤ちゃん〜小学校低学年、中高生以上の大人、幅広い年齢など) ・ロングセラー等、定番のタイトルを入れて欲しい ・自然科学や乗り物を入れて欲しい ・絵の美しい作品がいい ・テーマに偏らず、いろいろ入れて欲しい ・一年以内に出版された新刊から などなど、備考欄にご記入ください。 ご希望に沿ってWeb shopにないものからも選書をします。 写真は選書例です。 記念品など、同じタイトルを複数ご希望される場合は、HPのcontactよりお問い合わせください。
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この本をかくして
¥1,650
この本をかくして 文: マーガレット・ワイルド 絵: フレア・ブラックウッド 訳: アーサー・ビナード 岩崎書店 ばくだんが 図書館にあたって、 まちはもえてしまった。 吹雪のように舞い上がる木っ端微塵になった本に、人々は思わず手をのばし、言葉のかけらを掴み取ろうとしました。 残ったのは。たった一冊、赤い表紙の本だけ。自分たちのルーツが書かれている宝石よりも金銀よりも大切な本。 人々は街を離れ歩き続けます。もう本の一冊も手に持つこともかなわなくなり、大きな木の下に埋めました。 戦争が終わり、掘り起こした本を再建された図書館に寄贈します。 図書館にあれば、きっと誰かが見つけて読むだろう。 心の深部を真っ直ぐ見つめるようなマーガレット・ワイルドが、全てを奪い壊していく戦争からも守り抜きたい大事なものを、言葉に記し伝えていく。
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からすたろう
¥1,980
からすたろう 作:やしまたろう 出版社:偕成社 勉強についていけず、だれとも友達になろうとせず、のけものにされている「ちび」。そんなちびに、イソベ先生は学芸会でカラスの鳴き声を披露させます。その場にいる誰もが、ひとりの少年の過ごした6年間の月日を思い、涙せずにいられませんでした。 こどもをみるということは、こういうことなのかと思います。 絵もすごいのです。 表紙のからすたろうの顔の印象的な鋭い目が、何をみているのだろうと思わせます。 からすたろうと他の人との距離感を、大胆な余白を使って構図で表しています。 からすたろうが見ている歪んだ世界、最後のからすたろうの後ろ姿を見送る人物の場面では、ちゃんと景色の中に、世界の中にからすたろうが描かれてます。読むほどに、すごい絵本だなと思います。
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子どもの十字軍
¥1,760
子どもの十字軍 ベルトルト・ブレヒト|文 はらだ たけひで|訳・絵 ひだまり舎 初版刊行年 2023年8月6日 ドイツの詩人、劇作家ブレヒトの不朽の叙事詩 ポーランドで1939年むごたらしい戦争があった。 人々は奇妙な噂を耳にします。 戦争のために大切な人や家、何もかもうばわれたポーランドで 子どもばかりの十字軍がはじまったと。 子どもたちだけで助け合い、励まし合い、時には諍いも起こり、恋もめばえる。 そうして平和な土地を探し求め、さまよい歩く。 今も、世界中に過酷な境遇に置かれている子どもたちが助けを求めています。
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あいたいな
¥1,430
あいたいな 阿部 結|作 ひだまり舎 コロナ禍のなか、ステイホームしている子どもたちのお友だちに会いたい気持ちが本になりました。離れて過ごす人たちを思う気持ち。大人も共感します。この本、そのままお手紙として送りたいくらい。 阿部結さんのさりげないタッチのイラストもステキです。 店主個人的には、見返しのお家が絵本のこたちの店舗に似ていて、思い入れてしまいます(^^)
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マルをさがして
¥1,980
マルをさがして 作:山本久美子 ひだまり舎 2020年3月に、当店で原画展を開催しました。 リトグラフで描かれる原画は、赤と黒の2色のみを用いているにもかかわらず、夏の日の鮮やかな色彩やリアルな質感、だんだん湿度が上がってくる空気感など見事に描き分けられています。 犬のマルがいたずらをしたので叱ったら、ふいと姿を消してしまって… 畳に寝っ転がる少年はプールから帰ったところでしょうか。 探し回る少年に、心配ないよとこたえる果物屋さんも少し懐かしいのんびりした時代を思わせます。とはいえ、少年にとって犬は相棒。もう、会えなくなったらと思うといてもたってもいられません。 台風で荒れる天気と不安な気持ちが重なり、臨場感あふれる画面が迫ってきます。 私も子どもの頃に飼ってた犬が、よく家出してたのを思い出しました。その時の気持ちといったら…
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きんぎょ
¥1,980
きんぎょ 作|山本久美子 ひだまり舎 『マルをさがして』の作者、山本久美子さんの新刊。 新刊といってもフランスでは既に出版されています。 夏祭りの夜、夜店で金魚すくいをする兄弟妹たち。 翌朝、持ち帰った金魚のために水槽とエサを買いに出かけます。 きんぎょ屋さんで見た金魚は、とても大きくて、うちのもあんな風になるのかな? 山本久美子さんの絵は、リトグラフの限られた版数と色で、豊かな色彩、光と影、水の冷たさや肌を焦がす太陽の光を感じさせます。 水槽を泳ぎ回る真っ赤な金魚は夏の残り火のよう。